~更科とりかへばや物語~

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(えっと、場所間違えたかな!?それとも敬語間違えた!?) 不安になってオロオロしてると、教室中がざわめき出した。 「静かに!!いや、更科君にしてはよく学習していますね。じゃ、次は......」 僕は椅子に座ると、人知れず安堵のため息をついた。 (ふぅ...こないだやったとこでよかった~) もう当てられる心配はなさそうなので、ボーっとしながらも授業には耳を傾けていた。 (この先生の方がわりと口語訳が解りやすいなぁ......) などと考えていたらあっという間に終わってしまった。 (てゆーかホントにバレてないのかな!?) キョロキョロしながらも、さっき当てられたときに助けてくれた隣の人と目が合ったので 「あ、さっきはありがとね!」 とニッコリ笑ってお礼を言ったら、なんか何も言わずに口元を押さえて教室から走り出て行ってしまった。 「ぇ...っと。」 (あからさまに嫌な態度とられると凹むなぁ...やっぱ僕がユズじゃないから怪しんでるのかな...)
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