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???「おい、まな~!」
いつもの声、いつものトーン、いつもの朝。
今までと変わらないあたしたちの関係で、高校2年生としての新学期が始まる。
茉夏「はよ~、いっき」
赤ちゃんの頃からずっと一緒で、お昼寝やごっこ遊び、お風呂…いろんな時間を過ごしてきた幼馴染の樹。
そんな樹を、あたしは“いっき”と呼び、樹はあたしのことを“まな”と呼ぶ。
樹「ホラ、忘れ物!」
その忘れ物は大事なあたしのお弁当なのに、いっきは何も考えず、ひょいと投げてきた。
茉夏「ちょっと~!バカいっき!」
ヘヘッといたずらっぽく笑って、走って先に行ってしまう。
(…“好き”かもな。)
心の中で、呟きながらいっきの後を追おうとしたとき、
???「茉夏~!!!」
大声で、あたしの名前を叫んだ人。
思わず、いっきも振り返る。
多部 紗倉(たべ さくら)。
高校で知り合った、親友。1年は同クラだったけど、新2年で離れた。
いつも元気が取り柄の明るい子。
紗倉「おは~、樹!茉夏!」
樹「うっせ~よ、朝から…」
本当に迷惑そうにしている、いっき。
そんな姿をまったく気にしない紗倉は、元気よく走ってくる。
あたしは、知ってる。
紗倉は、樹が好きだってこと。
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