第1話 敗北感

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いつから、紗倉がいっきを好きなのかは分からない。きっと、あたしがいっきを好きだって気づくずっと前だろう。 好きになるのに早い者勝ちはないけど、あたしはなんだか既に負けた気分。 というのも、紗倉は男子バスケ部のマネージャーで、面倒見がよく、男女ともに人気がある。色白で、サラサラのロングヘアは、あたしの憧れのスタイル…。 つまり、何もかもあたしは負けてるってこと。それなのに、同じ人を好きになるとか、あたしの恋は前途多難な気がする。 紗倉がいっきを好きなことを聞かされたわけではなく、あたしがいっきを好きなことも教えたわけではない。 ……紗倉が恋をしてる確信はないけど、女の勘。 紗倉「朝は元気が1番でしょ?」 樹「だからって、うるせーよ!笑」 (あ~あ、仲良いな…泣) 紗倉「茉夏?おはよ!」 茉夏「うえあ?!あ、おはよ」 ヤバイ、嘆いてたら変な声出ちゃった。 樹「ふっ、なんだお前の声!」 茉夏「うっさい、バカいっき」 (はあ~、紗倉みたいな素直な子になりたい) 紗倉「2人とも、ケンカはナシ!ホラ、行くよ」 (紗倉へ あたしは、いっきに恋してる。紗倉もだよね?ねえ、紗倉だったら恋と友情どっち??)
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