第1話

第1話 敗北感

D組に着いた。
離任式の日に、クラスは分かっていたものの、まだ会ったことのない人だらけで、正直、不安でもある。
教室のドアには、名簿が貼ってある。
あたしは31番で、いっきは16番。
早速だけど、席が離れた。

黒板には、座席表が貼ってあって、
みんな確認してから座るが、やっぱり
ぎこちない。
あたしも、自分の座席を見た。
窓際の列、前から2番目。
(よし、確認っと。ついでに、周りの人の名前もチェックしよ。)
…と、眺めていたのだが、
あたしの周りには男子しかいない。
隣も前も後ろも、斜めでさえ男子！
(えええ~。女子が周りに1人もいない。)

いっきの席は…と思い、チェックすると
右から3列目、前から4番目だった。
周りは、女子も男子も程よくいるし、
困らなさそう…。
いつも席替えは結構いい当たりのあたしだけど、今回ばかりは、交換してほしかった。
新学期、周りに女子がいないのは
ちょっと辛い。
うまく友達できるのかな。
そんな不安が、押し寄せてきていた。