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「じゃあな、ハル」
クシャッと私の頭を撫でて、笑った蒼井先輩は本当にいつも通りで、大阪の会場であったことなんてもう忘れているみたいだった。
けれどその背中を見つめながら隣で広大がポツリと呟く。
「蒼井、あれでも無理してんだぞ。
だけどアイツは大丈夫」
蒼井先輩の親友の広大の言葉だから、私も静かに頷きその背中を見送った。
きっと蒼井先輩も広大と同じように、シドニーに留学することで大きく躍進して行ける、そう願いながら───。
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