chapter02(河山著)

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「こっちもこっちでバケモノッスね……」  能力者と非能力者の間には大きな力の差が存在する。  だからこそ差別が生まれるしアナクフィスのような反能力者を掲げる組織も生まれるのだ。  その力の差を実力でひっくり返すとなれば、まさにバケモノである。  アナクフィスあたりが神様と崇めてもおかしくない。 「ボトルネックはこの二人。プロジアと夜鷹を何とか誘き出して、その内に隼垣を奪還するのがベストでしょうね」 「隼垣涼一郎の能力を発動させられればこちらの勝ちです。……が、水瀬さんが隼垣涼一郎の元へ向かえばプロジアの相手を出来る人が居なくなってしまいます」 「あたしやアンナちゃんじゃ手の余る相手だしねー。非能力者の夜鷹ならともかく」 「……じゃあ、アタシがプロジアの相手をするしかないわけか」  そうなると、 「……わたしがりょー君の所に行く。それしかないよね」 「…………」  秋篠が何かを言いかけて、思い留まったように口を噤む。  代わりに口を開いたのはアンナだ。
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