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「防衛省第零課の《歩く武器庫》、それに《姉妹》。彼女たちが隼垣さんの護衛をしていますね」
プロジアが言うのだ、彼女らが隼垣を護衛しているのはまず間違いない。
それだけ『世界最強の能力者』の存在というのは重要なのだ。
「なら……私たちは何で五体満足なんだろうね」
《歩く武器庫》と《姉妹》がいると聞いたから、私とプロジアが出張ってきたのに。
彼を拉致するとき、彼女らの影が微塵も感じられなかった。
それはつまり、彼は本当に一人で出歩いていたということで。
「それだけ隼垣さんは人道的な扱いが約束されているということですよ」
「……そんなので済ませていい存在じゃないだろうに」
罠、と言う可能性も考えられた。
相手がそこらの凡人ならまだしも、相手取ろうとしているのはあの《歩く武器庫》と《姉妹》だ。
今この瞬間にも、踏み込んでくるかもしれない。
「まあ『世界最強の能力者』なら一人で遊ばせていても大丈夫、ということなのでしょうね」
そう、私が一番疑問に思っているのは“ソコ”なのだ。
以前に彼が行ったことを考えるのならば、彼と出会った瞬間、私達はとっくにこの世にはいない“はず”なんだ。
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