chapter01 (rossony07著)

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「それは――」 「はい、隼垣さんの思っていることで正解だと思いますよ?」  割り込むようにプロジアが発言。……癪だが、こういう言い合いは彼女の方が圧倒的に強い。  だから、私は黙って聞いていることにする。 「もし命が目的ならば私たちは貴方を“気絶”ではなく、とっくに“殺害”していますしね」  そう、まさにその通り。  今回の任務が“殺害”だったなら、とっくに終わっている。  それでも今こうして、五体満足で隼垣がいる理由……。 「単刀直入に言いましょう。隼垣涼一郎さん。私たちと一緒に来る気はありませんか?」  『世界最強の能力者』を私達『ブラックホークス』の戦力として取り込むこと。これ一点のみ。  言い換えるならばそれは、私たちの雇い主である『レオパルド社』が世界の頂点に君臨することを意味する訳で。 「無い」  真っ直ぐな眼だった。  私やプロジアなんかよりも、真っ直ぐで綺麗な眼。 「ディー? どこに行くのですか?」 「ちょっと出てくる。長期戦になるでしょ? 食料を調達してくる」 「領収書は忘れないでくださいね」  直視できなくて、逃げるように私は隼垣のいる病室を抜け出し、そのまま廃病院の敷地から出た。 (……良い風だな)  憎たらしいことに、今日は快晴だった。
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