chapter02(河山著)

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 水瀬の一言で場に重たい空気が流れた。  断ったら最悪殺されてもおかしくない。  敵になるくらいならいっそ……という考え方で隼垣を殺すなら納得できる部分もある。  防衛省も隼垣が敵になる状況を想定して、水瀬に隼垣の殺害許可を与えていたのだから。 「ともかく、隼垣さんを助け出すしかないッスよ!」 「隼垣涼一郎とブラックホークスの居場所は掴めています」 「だったら急ごうよ!」 「ちょっと待ちなさいってば。無闇やたらと真正面から攻めるわけには行かないでしょーが」  今にも車椅子を自走させて走りさしそうな杏璃を、肩を抱いて強引に押し止める。  それを見て秋篠がやたら取り乱した様子で杏璃に抱き着いたのでとりあえず抑える役割をバトンタッチ。  まったく、と息を吐いてから水瀬は言う。 「ブラックホークスには注意すべき人間が二人いるわ。そいつらを何とかしないことには隼垣の奪還は為しえない」 「爆破魔と夜鷹だね」 「な、何スかその物騒な人!?」
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