迎撃

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圧縮された空間。 わずか畳三条半程のスペースに座席が二つ。 それを取り囲むようにスイッチやメーター類がごちゃごちゃと付けられ余計に圧迫感を増している。 俺を含め、乗員2名から常に出続ける汗の湯気のせいでモニターや計器類は放って置けば置くほどみるみる曇り、それを拭き取りまた次第に曇り始める。 「50(ゴーマル)こちら53(ゴーサン)アルファ、現在の状況送れ...」 額の汗を拭った布でそのまま前部モニターを拭き取り、一方で逆の手は無線通話スイッチを入れた。 「ザッ...ザザザッ.....」 しばらくすると装甲用ヘルメットのヘッドセットから途切れ途切れの無線通話が聞こえ始めた。 それは多量のノイズと共に少しづつ大きくなっていく。 「5さっ...5....ザッザザッ....現在、敵...ジャミン.....ザァァァ...ザッ...ぅ害装置は近く...」 途切れながらもギリギリ入った情報。用は現在のジャミングは敵の装置による物で、それがこの周囲に存在するという事だろう。 ここからは模索、或いは神頼みしか手段が無い。 「斉藤、サブカメラを後部座席オーバーライドに切り替えるぞ」 「了解!」 前部座席には斉藤という優秀な伍長が着座している。 正直こんな超旧型オンボロ機体に乗せるには惜しい人材だし、まして俺のような若いペーペー幹部が車長をやってるような機体に搭乗するなんてとんだ災難人だ。 操作が後部座席に切り替わるほんの5秒間、そんな事を悔やみながら機関銃と同軸のサブカメラを後方斜め上へとゆっくり動かしていく。 電柱、屋根、鉄塔、電線、雲.... サブカメラの狭い視界には特に不自然な物は映っていない。 さらに同じ方向にカメラを移動させ... 奇跡的にも、そいつ見つけたのはその直後だった。
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