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「遅い帰りだな…」
玄関で待っていたのは翔風の叔父西条 善乃(よしの)。
…父さんの弟なんだ、あまり…いや、かなり僕の事を嫌っている…
叔父さんだけじゃない…叔母さんも道場の皆も……
「すみませ…ん」
下を向く翔風に舌打ちをして去っていく。
自分の部屋へ入ると袴から部屋着へ着替えるとベットに寝転ぶ。
僕の父さんは代々柊家の名刀“生華刀紅(せいかとうのくれない)”を扱っていたんだ。けど、その刀を扱えるのは紅に選ばれた者だけしか使えない…
道場で剣術の師範もしていたんだけど…父さんが死んでしまって、紅もいなくなってしまったんだ…
多分叔父さんが持っているんだけど見つからないし……僕は目も見えないのに剣術をすることやこの容姿を嫌がってるんだよね……
まぁ厄介な奴なんだよ僕は…
ここには居場所なんてない…僕が喋る事すら嫌がる人たちだからいつの間にか話すことが苦手になってしまった……
父さん、ごめんなさい…教えを全然守れていなくて
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