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授業終わりのチャイムが鳴り響くと同時に起きたその自然現象は体の力を抜いていた僕の体のバランスをあっさりと崩し、その身を空へと投じさせた。
視界は傾き、体が空へと押し出される。僕は抗う事も無く、その運命に身を任せた。
「……!?」
しかし、凄まじい力が僕の体を屋上へと引き戻した。
これも一つの運命なのかとその力の働いた方へと視線を向ける。
「何をやっているんだ! あともう少しで死ぬところだっただろう!」
その先には一人の男がいた。
体操服を着て、窓ガラスから屋上へと侵入した一人の『生徒』。
急いで駆け付けたかのように額から汗を流し、息を荒げている。
そんな彼に僕はこう希望を持って言ってやった。
「死なせてくれ」
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