手紙

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「ちぇっ、つまんねぇの。じゃあ次の授業で絶対やろうな!」   今日も暑苦しく笑顔で言葉を返す眼鏡君に負けぬよう俺も笑顔で返した。 「おう」   その一言と同時に我が友人、眼鏡君はスピードを上げ、軽々と先に行ってしまう。手を抜いてやがったな、と唇を噛み、俺も少しスピードを上げた。   しばらく走り、授業が終わろうとしていた頃だろうか、ふと、何者かの視線を感じた。 周囲にはお疲れムードのクラスの皆が集まってきている。では、彼らか?   ふと感じた疑問を心の隅にしまい、俺は体育座りをすると、先生の話に耳を傾けた。 「では終わる前に席の確認をとる、出席番号…………十三、十五、十六……」 「!?」   その声を確かに聞いた俺はようやくその違和感に気づいた。   在籍四十人に対し、今、この場には三十九人しかいないのだ。そして、そんな一人の欠席に対し、誰も気に留める事がない。 かくいう俺も今、その事に気づきはしたが、何もしなかった。いや、出来なかったんだ。   だって彼は、『初めからこのクラスに存在していない死人』なのだから。
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