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でも、よしんば別れ話へ持っていけたとしても、
すんなりと聞き入れてもらえるだろうか。
和也さんの深い想いを知ってしまった今、
別れを切り出すのが怖くてたまらない。
今日は花の金曜日だというのに
最近はすっかり憂鬱曜日と化している。
「ハァ―――…」
洒落にならないくらいに大きなため息を朝っぱらから漏らし、
新谷観光開発ビルの扉を通り抜けた。
「大丈夫です?
何だか最近お疲れの様子ですね、仕事が忙しいんですか?」
席に座ってすぐさま心配げに語りかけられた。
小川さんにそんなことを聞かれているあたしって
相当やつれ顔なのかな……。
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