第12話

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「でも、じゃあ、どうして常務の部屋にいたんです?」 「ま、俺が頼んだから。 一芝居して欲しいって」 「はあっ!?」 じゃあ、やっぱり、ある意味あたしを騙したんじゃないかっ!! 悪びれた様子もなくしれっと何を言ってるのだ、この男はっ!! 「ひどいっ、何の為にそんなことしたんですかっ!!」 あたしが吐き捨てるように絶叫したにも関わらず、 常務は落ち着いていて。 「何の為?」 にっと笑った。 「最初に言ったろ、 “必ずまた、俺を好きだと言わせるから”って」 は? はあああああああ!?!?!? 「じゃあ、それを言わせるためにわざわざ、 専務の婚約者まで…抱き込んで…」 にこっと笑い、うんうんと二回頷いている。
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