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横断歩道を渡ろうとしていた老婆に車が衝突したのだ。ある程度距離を取っていた僕は後一歩間に合わず、結果老婆は息絶えた。
彼女が誰であるのか彼女が何故その歌声で人を死へと導けるのか。原因を突き止めてやる。もう、これ以上、犠牲者は増えさせない。
一つの推測から始まり、僕はあの公園に拠点を置く事にした。
きっともう一度、現れるはずだという確信を持って。
しかし、これは推測に過ぎない。もう彼女がこの公園に現れないかもしれないが、どこか昔のあの少女に見えて、また僕の前で歌ってくれるだろうと思うのだ。
だから…………五時頃に現れ誰かを待つように空を見上げた彼女に、僕は感動の涙を浮かべてしまったのだった。
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