料理(推理)は猫の手で

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ジョウは眠さを紛らわす為に、顔を洗い出掛ける準備をする。 「眠い…何でだ…」 特に理由はなかったが、無理矢理理由を作るなら、浮気調査で疲れているからだ…だがジョウは十分な睡眠をとっていた。 夕方。 とあるアパートの前で張り込む、このアパートは依頼人の夫、神崎衞が奥さんには内緒で借りていた。 ある日、神崎恵子がこのアパートの近くに用があり、その時に、たまたま夫を見かけた事が浮気を疑ったきっかけだと言っていた。 そして、度々このアパートを見張っていたが、神崎恵子自身、夫が仕事に行っている間ずっと見張る訳にもいかず、 逆に見張ってる事がバレてしまえば、只場所を変えられて証拠を掴めないままになってしまう。 と、言うことで、浮気調査を依頼したのだった。 つまりのところ神崎恵子は夫が浮気している所を目撃したわけではなかったのだ。 このアパートの場所は自宅と仕事場の丁度真ん中に位置していた。 アパートを見ながらジョウが溜め息をつく。 「ふー、仕事帰りに、アパートによってから自宅に帰るのか? 相手もこんな都合良くアパート借りる男に、よくなびくよな…」 依頼人の神崎恵子の話では、愛人が住んでる訳では無いようだと言っていた。 このアパートは浮気の為だけに借りた物、その事も依頼人の勘にさわったようでかなりお怒りだった。
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