料理(推理)は猫の手で

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街灯が、チカチカと消えそうになっていた、そんな道路を疲れ果てた様に歩く男がいた。 ジョウが手元の写真を確認する。 「あ、神崎衛…だ…」 その、疲れ果てた男は、アパートの外階段を上がり、部屋に入っていた。 「しまった、一人か…相手が後から来るのかな?」 ジョウがキョロキョロしていると、綺麗な女性が話し掛けてきた。 「突然失礼な事をお聞きしてすいません、貴方は神崎さんの事をずっと見ていましたよね!? …お知り合いの方ですか?」 「…あぁ…はい、えっと…そうです。」 綺麗な女性の目が一瞬変わった様な気がした。 「貴方、怪しいわね、警察呼びますよ。」 「ちょっと、待ってくれ僕は怪しい者じゃない、依頼を受けて見張りをしているんだ。」 「依頼?神崎さんから?それとも他の人から神崎さんを調べるように言われたのかしら?」 「詳しい、内容は言えないが、貴女こそ、怪しいんじゃないかな?」 「そうね… 私は、奈緒子と言います。」 そう、言いながら名刺を差し出した。 「?ピーチ探偵事務所…あ、女性だけの大手の探偵事務所だね…奈緒子さんも神崎さんを調べているのかな?」 「それは、こっちだって言えないわよ、貴方の名刺は?」
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