料理(推理)は猫の手で

14/55
前へ
/55ページ
次へ
ドンドン。 「ダメね、ジョウ、ドアを壊すわよ。」 奈緒子が勢いをつけて、ドアを蹴り飛ばそうとした。 「待て、嫌な予感がする、ふせろー。」 ジョウが飛び出ししゃがんだ奈緒子に覆い被さったとき、爆発した。 ドカーン。 ドアがくの字に歪み、固定されてしまった。 「大丈夫かい奈緒子?このままじゃ危ない他の住人を避難させよう。」 ジョウと奈緒子は次々とドアを叩き、火事を呼び掛けた、どうやら、在宅していた住人は初めの爆発音と煙の匂いで火事を察して出てきていた。 「二階は、ほとんどの部屋が留守だったみたいね。」 「あぁ、そうだな。」 ジョウと奈緒子は少離れた場所で野次馬に混ざり消防士の消化活動を眺めていた。 「ジョウ、あの爆発は…」 「あぁ、多分ガスコンロとかじゃないかな?鍋の時に使う。」 「火事の被害を広げるために、置いてあったのかしら?」 「さぁ、神崎衛さんの趣味が鍋とかアウトドアだったからじゃないか、僕は会ってないから分からないけど…奥さんにも知らせないとな…」 「私も、守れなかった…」 その時背後から彩子が話し掛けてきた。 「ジョウさん、何かお兄ちゃんが来るって。」 「え、面倒だな。」 「お兄ちゃんって?」 「彩子君の兄は、警察官僚なんだよ…」 「彩子ちゃんどっかで見たと思ったら、貴女…剛力彩子ちゃんね。」 「はい、何で知ってるんですか?」 「仕事がら、色々調べるのよ。」
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加