料理(推理)は猫の手で

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消防士の懸命な消化活動により、火事は治まり野次馬も減っていった。 「ジョウ…神崎さんは助けられなかったわね。」 「ああ、もし爆発前に、部屋に入れたとしても、助けられなかっただろう…」 「そうかしら、もっと早く、気付いていたら…」 「いや、爆発に巻き込まれていたさ…それに、調べて見ないと分からないが、ちょっとおかしいだろ? 煙が出てから、火が回りガスコンロに引火して爆発までの時間がやけに早かった。」 「分かったわ、調べましょう、このままじゃ引けないわ。」 その時背後から声がした。 「ジョウ、そちらのお嬢さん…火事については警察の自分が調べますよ。」 「やっときたか、彩子君のお兄さん…」 「始めまして、剛力さん、私は、ピーチ探偵事務所の奈緒子です。」 奈緒子は名刺を差し出した。 「これは、どーも、貴女も探偵なんですね?探偵ネットワークとかで繋がっていて一緒に調べものをしていたんですか。」 「いいえ、違います、私は、ジョウとは別に神崎さんを守っていたんです。」 「守って…?」 「神崎さん夫婦からの依頼で、脅迫状が届いていると、それでボディーガイドをしつつ見張っていたんです。」 「そうだったんですか…ですが、ここからは、自分たち、警察に任せてもらいますよ。」 「彩子君のお兄さん、それはないだろう? 僕たちにも探偵の意地があるんだ、依頼人が亡くなったからって、はい、そうですかって行くわけには行かない。」 「お兄ちゃん…どうにかならないの?」
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