料理(推理)は猫の手で

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と、ここまでが、ジョウと剛力強と彩子の出会いになる。 事務所の椅子に座り、勉強を始める彩子。 「あのー、彩子君…」 「なぁにジョウさん、お茶とかはいらないわよ、お構い無く。」 「あ、お茶いらないんだーって違うよ、勉強は学校とか家でしなさい、ここは探偵事務所なんだよ。」 「うん、わかったから邪魔しないでね、ジョウさん。」 「……」 もう、ジョウは文句を言うのをやめた。 事務所の奥に部屋がありそこがジョウの自宅代わりになっていた。 「じゃあ、しばらく寝るから電話出てね。」 「はーい。」 何だかんだ文句を言うがジョウは彩子を都合良く手伝わせていた。 約一時間後。 「ジョウさーん、起きてー依頼人の方が見えてますよー。」 「あー、…いまいくー。」 欠伸をしながら目を擦るジョウ、その目の前には、浮気調査を依頼した神崎恵子が立っていた。 「…主人はどうだったんでしょうか?」 「いえ、神崎さん一日ではさすがに…」 「え、…お願いします、今日必ず尻尾を掴んでください。」 神崎恵子は瞳を潤むわせた。
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