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「はぁ・・・また、壁ドンだよ、こんな狭い所で騒ぐのにも気を遣わないといけないんだからめんどくさいよなぁ、海賊の世界だったら毎日がどんちゃん騒ぎの大宴会なんだろうなぁ。」
ため息混じりに俯くと、手に握っていた剣(ペン)を樽(ペン立て)に戻し、頬杖をついた。
「はぁ、海賊の世界に行ってみたいなぁ、夢とロマンを追いかけて見たいなぁ。」
青年は、何度となく言ったであろう台詞を今日も吐きながら、寝る支度をし出した。
「夢の中では、思い通りになるのになぁ、まぁ現実を生きろって事かね、はぁ、明日も出勤か・・・薬局長こわいんだよなぁ、クレイマーの対応は全部押し付けるし、飲み会の幹事は毎回俺だし、看護師との合コン開けって毎回言うし、くそ!腹立たしい、いっそこのまま海賊の世界にいきてぇよ!」
ガチャ!
カツン、カツン!
扉の開く音と通路を歩く音が聞こえた。
ドン!ドンドン!ドンドンドン!
「うるせぇって言ってんだろうが!表出てこいくそ野郎!今度という今度はゆるさねぇぞ!起きてんだろ!さっさと顔ださんかいこらぁ!」
扉の向こうから聞こえてくる隣の部屋の住人の声、恐ろしくてたまらない。
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