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「何でって……葉が勝手に居なくなるからでしょ!」
皆、葉が居なくなっても探そうとしない。だけど私は探すんだ
「……帰れ。ここは織ちゃんが来る場所じゃないっ」
ガシッと腕を掴まれて引きずられるように来た道を戻る。すごい力で抵抗してもどんどん進む。
「よ、葉君!」
原口さんも葉の名前を呼ぶ。だけどあっという間に廃ビルの入り口へ。
「なっ、葉様!?」
見張り1と2が声をあげる。葉は掴んでいた腕をまるで放り投げるかのように雑に離した。勢いで体勢を崩して尻餅をついてしまった。
「ッ、……もう来るな」
葉は一瞬だけ顔を歪ませたけど倒れたままの私にそう言って中へ戻ってしまった。
「……この二人をもう入れるな」
そう見張りの二人に言ってドアが閉まった。私の頭には閉まるドアの音が児玉した。
「織羽!………大丈夫?」
「……うん、行こっか」
原口さんに心配掛けたくない、だから私は無理矢理笑った。そんな私を見て原口さんも微笑んだ。
「うん」
私は葉に拒絶された。もう葉に会えないんだ…
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