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職員室から出てきた葉と鉢合わせしてしまった…。葉は私達を見ようとせず、そのまま去ろうとしている。
「…ま、待って!」
必死に叫んだら止まってくれた…。でもまだ振り返ってくれない。
「……………なんか用?」
冷たい声…。キュッと痛くなる心臓を抑えて答える。
「…葉。私、ううん。私達、待ってるから! ずっと待ってるからね」
「…………待ってもらわなくてもいい。俺の事なんて諦めろよ」
「やだよ……諦めたくない。また、皆集まってワイワイしたい…」
無言…。
その無言が怖い…。これ以上拒絶されたら…
「…俺は生徒会を抜けたんだ。もう生徒会に戻るつもりはない」
「あ、待ってよ!」
葉の背中は遠ざかる。
行ってしまった……それに本人から拒絶を聞いてしまった。
「織羽……」
「…葉月。ダメみたい…」
やだ…涙が出ちゃうよ…
「…大丈夫、大丈夫だよ。俺も手伝うし、葉はきっとまた戻って来るよ」
「…葉月…」
頭を撫でてくれる葉月に暖かさと勇気を貰った。そうだ、葉が生徒会を抜けたのは本心じゃない……可能性はあるんだ。
角を曲がってすぐ壁に寄りかかる。まさか…まさか織ちゃん達にバッタリ会うとは思わなかった。校内で見かけるのはよくあるし、覚悟してる。
「…さっきのはズルイよ…」
「葉さん?」
その声に緩めていた顔をいつもの顔に戻す。いけいいけない、今手下と一緒だった。
「…なんでもねぇよ……行くぞ」
「はい」
毎日喧嘩三昧の俺だけど唯一の楽しみがある。それは…遠目からだけど織ちゃんや生徒会を見る事。今の俺は生徒会に近付けないからな…
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