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「なんすか兄貴!急に態度を変えて。こいつの事、知ってるんすか?」
叩かれた頭をさすりながら見張り1が兄貴と呼ぶ見張り2に聞く。
「こいつじゃねぇ!!こ、この方はendの元幹部…異名は『冷たい人形(アイス・ドール)』だ。まさかまたお会い出来るとは!」
「は、原口さんが元幹部!!」
それも驚きだが異名もびっくり。冷たい人形(アイス・ドール)ってどういう事?…
「そ、そう呼ばれるのは好きじゃない…それより葉君に会わせて貰えない?」
「はい、どうぞお通り下さい」
私の予想ではここを通るのは苦戦すると考えたけど意外にすんなり入れた。
廃ビルなのにドアがあり、ドアの奥には直線の通路。
カツ、カツ、カツ
革靴の音だけが響く中、私達は無言でひたすら直線の通路を歩いていた。
「織羽」
話し掛けて来たのは原口さん。私は次の言葉を待つ。
「…びっくりしたでしょう?…私がendの元幹部だって聞いて」
原口さんの顔は見えないけどしゅんと小さく見える。
「…そりゃ、びっくりだけど…答えたくないなら答えなくて良いけど、何で冷たい人形(アイス・ドール)って呼ばれてたの」
一瞬、気のせいかもしれないけど原口さんの肩が一瞬だけピクッと動いた気がした。まずい事聞いちゃったかな?
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