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桜がひらひらと散る春、私は中学生になった。中学生になっても喧嘩に明け暮れ、孤独だった。
━━━━━━そんなある日
「…お前が噂の女?」
これが葉君との初めての出会いだった。
「……誰?」
当時の私はendという名前は知っていたけどendに入っている人は知らなかった。だから話し掛けて来たこいつもただ喧嘩したいだけだと思っていた。
「俺は水無月 葉。……ねぇ、そんなに喧嘩がしたいならendに来ない?」
水無月 葉が口にしたendという言葉に私は反応してしまった。
「………分かった」
気が付けば勝手に口が動いていた。そんな感じだった。それとも優しく微笑む葉君を見て返事をしたのかもしれない。
葉君に連れられて行ったのは廃ビル。廃ビルなのにまだ壁などはちゃんと残っている。
中に入って進むと見張りが二人立っている。だけど葉君を見ると慌ててドアを開けた。
そしてしばらく直線の通路を歩くとまた扉がある。
「……ここが俺達のアジトだ」
扉が開かれると広い部屋。廃ビルには見えなくてテレビやソファーなども置いてある。そして一番豪華そうなソファーに座る人物が私を見た。
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