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零和さんはいう。
「君を溺死から助けた瞬間、死んでいるにもかかわらず、既に修行の形跡を感じ取ったよ」
「修行? そりゃそうですよ、オイラは国民学校初等科6年(※1下記説明)に空手を習っていたガキ大将に負けて以来、独自の武道を開発・修行中なんだ! 凄いでしょ!?」
「いや、源くん、君は死んだ瞬間に、時(とき)を超越したはずだ」
「は? 時を超越?」
零和さんは何を言っているんだろう?
零和さんが人差し指でオイラの肩をつついた。
自分の肩を見ると、ついさっき怪我をして流血までしたのに治っている。
「源くん、君は人類の宝だ。私の想像もつかないチカラが君には働いている。その証拠に右手の平を見せてごらん?」
「あぁ!!!」
何だこれ?
手を開くと、サイコロの様な真四角の青いガラスっぽい物があった。
「源くん、君はやはり選ばれし者なんだよ」
青いガラスは中から光を放っている。
「何これ?」
「宇宙船だよ。私の生まれ故郷だ」
********
※1.1941~1947年までの短い期間、小学校を改めて成立した初等教育機関。
初等科6年(6歳~12歳)
高等科2年(12歳~14歳)
戦時体制への即応と皇国民の基礎的錬成を目的とした。
1947年、学校教育法により初等科は再び小学校となり、現在の、6(小学校)・3(中学校)・3(高等学校)・4(大学)と制定された。
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