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「犬わん、喋り過ぎだ!!」
誰だ? ふんどし一丁の青年が、こちらに向かって怒鳴りつけながら走って来て転んだ。
「栄治さん!!」
零和さんが青年に栄治さんと言いながら驚いた表情をしている。
ん? 栄治って名前、零和さんがオイラの孫と言っていた名前と同じだ。
「零和さん、犬わんって呼ばれてますが何故ですか?」
「あー……どうしょう? 栄治さん、私、ここでは零和と名乗ってるんですよ」
栄治という青年が海岸で転んだ砂だらけの顔を払いのけながら、こちらに歩み寄って来た。
オイラをじーっと見つめている。
「爺ちゃん、その宝石みたいな光っているやつ見せて?」
爺ちゃん? ブルーの硝子を渡した。
栄治って人は硝子を見ながら「こんな小さな所に地球が丸ごと入るなんて……凄過ぎる!!」
零和さんが栄治さんにいう。
「栄治さんこそ、禁句を言いまくりです!!」
「ああ、ごめん。でもまぁ俺の能力でチャラにするよ」
オイラは2人にいう。
「さっきから訳の分からない事ばっかり言ってますが、お二人、何なんですか?」
零和さんが静かに語る。
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