起・源

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「栄治さん、ここまで喋ったからには、もう“想”で処理してくださいね!」 「ああ、想(そう)しかない」 そう? ダジャレ? 「ダジャレじゃないよ?」 栄治さんがニコニコとオイラに言った。 「そう、想しかない」 オイラは愛想の良さそうな栄治さんに問いかける。 「“そう”って何ですか?」 「んー……簡単にいうと、物質に心を挿入する事だよ」 物質に心を入れる? 無理だ、そんなこと!! 「栄治さんって人、質問があります」 「爺ちゃん、“さんって人”っていうのをやめてくれない!」 「あ、じゃあ栄治さんこそ、爺ちゃんっていうのをやめてください! オイラはまだ15歳です!」 「わかった、源さんって呼ぶよ。まだガキだけどね」 オイラは年上に“さん付け”で呼ばれるなんてこそばゆいけど納得した。 「で、源さんの質問は何かな?」 「物質に心を入れるなんて無理です!!」 うん、絶対に無理だ! 「じゃあ、隣に居る零和っていうロボットには心が無いと言う事かい?」 ん? ……零和さんは良い人だ。あ、ロボットか……あれ??
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