起・源

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いつからだろう。 『私はあなたをみています』 この言葉が脳をよぎるようになったのは。 特に3年前の終戦直後、1945年の夏、飢えた胃袋に食物をと求め、海へ素潜りに行った時だ。 零和(ぜろわ)さんというお金持ちに誘われて、名古屋の港へ行った。 オイラが腹を空かせている旨を見透かし、零和さんが車をだしてくれたんだ。 車には20歳と21歳と22歳の美麗なホステスさんが同情している。 正直な話、3人のお姉さん達は高級人形みたいな作り物の様な、妖精? 天使? っていうオイラの持つ比喩では言い表せないほど美しい。 驚くのは、その美しさと性格のギャップなんだ。 決して高飛車な態度はとらなく、5歳以上年下のオイラを優しく且つ慈愛をもって接してくれる。 だからオイラは海に着くと張り切って素潜りをした。 お姉さん達に出来る男をみせてやるんだ!!
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