起・源

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「やっぱり君だったか」 零和さんの声だ。 オイラは目を開ける。 「あれ、オイラ死んだんじゃ?」 「そうはさせない」 力強い声の零和さん。 「そうはさせないってどういう事?」 零和さんはこの暑さの中、漆黒(しっこく)のスーツを着込んでいるが、汗をかいているところを見たことがない。 「源くん、君は人類、いや全宇宙の宝だ。今は意味が分からないだろうが、その時が来たら理解出来るよ」 砂浜の茣蓙(ござ)に寝かされていたオイラは起き上がった。 「人類?」 「そう、君の孫である栄治くんが人類再生計画を実行中だ」
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