5. 迷子の仔猫

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 落ち込んでしまったのか、彼の言葉に何も答えられなかった。  物静かなレイが喋るわけもなく。  静かな空間をただ歩いていく。 「つーか腹減った! よく考えてみればまだ昼メシ食ってねえじゃん!」  あ、なんだ。  お腹空いてるから機嫌悪いのか。  トーマは、歩いている最中に目の前にきた木を力任せに蹴りつけた。  落ち込んでいた気分がすっかりと晴れた。  私のせいで機嫌が悪くなっていたんじゃないんだ。単純な理由だった。
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