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「…水分摂るのが一番良いけど、なんか気持ち良さそうに寝てるし、冷え○タ貼って水枕もしたからこのまましとけば大丈夫だろ。」
俺はかなり焦ったけど、しゅんはテキパキと奏の世話をして、余裕たっぷりに言った。
同じ病人でも、自分の彼女のときとは全然態度違うじゃねーかよっ。
また思い出したくない光景が頭に浮かんで、必死に打ち消した。
「…うーん。ふあぁぁぁ。」
妙な声が聞こえて、目をやると、奏が起き上がって伸びをしていた。
「奏!何してんだよ。大丈夫なのか?」
「…あ…ナツ…。も、大丈夫…。」
今度は奏に反らされてしまった。
そう言えば、俺ら気まずいままだったっけ。
「あのさー。お前ら、すごーくギクシャクしててキモいんですけどー。
何なの?女子の喧嘩?それとも逆か?どっちかが告白し出しそうな空気だぞ。
あはは。」
「…っ、ち、ちげーし。」
いちいち恋愛知ってます的な態度のしゅんがムカつく。
…てか、肝心の相手が女子じゃねーじゃん!
「ナツ…ごめん…。」
やっと観念したのか、奏がボソッと話始めた。
「僕…あの日、自分でもよく分かんないけど、イライラしちゃって。
ナツ追い出しちゃって…。
謝りたかったんだけど、なんかできなくて…。」
「げっ。あの日って、もしかして俺もお前追い出した日?
うわー。2回も追い出されたの、お前。ウケるー。」
「…殴っていいですか?
ってか、うるせーんだよ。奏しゃべってんだろーがっ。」
「あはは。いいよ、いいよ。」
「よくねーよっ。
…それで?今日はだから何してたんだよ?うちの前でさ。」
「うん…。宿題も手伝ってあげられなかったから、そろそろナツ、困ってるかな…って思って来てみたんだけど、なんか…入りづらくて…。
ナツの部屋、ずっと外から見てたら、クラクラしてきちゃって…。」
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