第1話

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…キス? 「…あのなぁ。 あいつだって、いちおー高2なんだし、キ、キスくらい、すんだろ。 だいたい、どこで見たんだよ。 そんなもん。」 しゅんは俺のいっこ上の兄貴だ。 幼い頃から年子の俺たちは、いつも競いあっていて、しゅんは兄貴というより、ライバルみたいな存在。 だから、ちょっと… いや、実はものすごーく悔しい訳で…。 俺は、この年になっても、本当の恋を知らない。 キスは、中学んとき、成り行きで一度だけ。 相手のこと好きってわけでもなかったし、キスって言っていいのわかんねーようなもんで…。 俺と違って硬派なしゅんがキスをしてたってことは、多分本気のキスに違いない…よな…? 冬海には動揺を悟られないよう、平然と答えたけど… 気・に・な・る!! 「そこ。」 「え?」 「だからぁー。しゅん兄の部屋! しかもさぁ。すっげー可愛いんだ、しゅん兄の彼女。 まだ部屋ん中で、イチャイチャしてんのかなぁ? って、なつ兄っ!? どこいくんだよ?」 「あ?俺の部屋。」
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