~Fitima Ein Crime-1~

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目を開けると、再び体の自由が利かなかった。 次は裸の状態で、暗い部屋にいた。 また施設へ戻ったのかと思ったが、見慣れない場所だ。 指先が微かに動くのを体で感じると、自分の手を見た。 拘束具が付いている。 「目が覚めたか?」 驚いて目の前を見る。 先ほどのフードの男が経立っていた。 「気分はどうだ?」 「…。」 少年は周りを見る。 先ほどの4人が後ろで見ている。 「……ここ…」 「神殿の地下室だ。」 「ちか…」 「言わば、旅の終着点。」 男は少年の髪の毛を鷲掴みして、顔を上げようとする。 痛みで首があまり動かなかった。 「お前は闇の谷から来たんだな?」 「…」 「谷について知っている情報があれば言え。」 「…しら…ない。」 「そうか。」 フードの男は手を放した。 すると、両手に感じ黄色に光る巨大な刀を手にした。 地面に叩きつけ、凄まじい音を響かせた。 「では、これにて用済みだ。」 「…しぬ…?」 少年は顔をゆっくりあげる。 「そうだ。」 「……おれ……ようやく……あそこから…」 男は刃を突き付けてきた。 少年は男を見つめた。 「……いやだ…。」 少年は拘束具で繋がれている手を伸ばそうとした。 「それは残念だな。」 「…おいしいもの…たべて……遊ぶんだ……」 「…。」 「いきて…たいよ…」 男は少年の顔を見る。 「…お前。」 フードの男は刃を下ろし、少年へもう一度近づいた。 顔についている泥をふき取り、顔をよく見る。 白い肌、茶色の髪。赤い目。 「……。」 男は拘束具を外す。 「な、何を!?」 後ろにいた男が叫ぶように言う。 「気が変わった。この少年を俺の部屋に通せ。」 「し、しかし…クライム様。」 「神官には俺から伝えておく。良いから言うとおりにしろ。俺はそこまで気が長くないんだ…」 男の眼が赤く光ると、4人は慌てて少年の元へ駆け寄った。 少年はすでに意識がなかった。 フードの男は先に姿を消すと、4人は彼の部屋に少年を通した。 あまりの汚れている姿に、最初は濡れたタオルで汚れを落とし、服の代わりにバスローブを着させてソファに横にした。 彼を残し、全員部屋を出て行った。
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