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じゃじゃーん。
次も 辻村深月先生の作品。
「島はぼくらと」 辻村深月作
自分でその只中にいるときは青春だなんて気づけないことが多いような。
でも振り返ってみたら、あの時青春だったんだな、なんて思ったりするんです。
こんなこと書いてる私はまだ青臭い年ですが。
――――――
辻村先生の作品にしては珍しく、癖のあるというか裏のある人物が出てこないです。
ただ純粋で爽やかな風が物語を満たしているので、精緻な技巧が凝らされた他作品よりいくらか読みやすかったりします。
別段大きな出来事は起こったりしないのですが、主人公たちの生活の中にどの世界にもあてはまる友情、淡い恋、近所の人たちとの絆と普遍性が隠されていて、読んでいるうちに自分の生活が愛しくなってくるのです。
あ、青春って、こんなに近くにあったのか。
つい忘れがちになる、シンプルで大切なことをじっくりと気づかせてくれる貴重な一冊。
そうだ、前の辻村作品の紹介の時に書き忘れていましたが、
先生の本はすべてひとつの世界の中で起こっています。すべての本の登場人物が他の本にリンクしてるんですよ、ちょっとずつ。
時間が経っていつの間にか大人になっている、かつて読んだ本の主人公を、また違う雰囲気の世界から別の視点で垣間見る。
そんな部分もまた面白さのひとつだったり
…ね。
効能 ★★★★
青春ってよくわからない。
青春時代をもっと鮮やかに思い出したい。
とくにそんな風に思っている方に抜群。
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