信じる力が欲しい時

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今度は少し年少者向けのものを。 「あなたの声がききたい――聴覚障害者の両親に育てられて――」  岸川悦子作 私が小学校中学年ころに課題図書だった作品。 かなり昔に読んだものですが、今でも流せずにはいられなかった涙の味をはっきりと覚えています。 どうしたら、強くなれるのか。 純粋であるからこそ、残酷な年齢。そのなかで聴覚障害者の両親をもつ主人公。 まっすぐに生きたいだけに、まじめなその分、誰かに笑われること、指さされることが許せない。 偏見や憐れみ、葛藤と願い。 透明な風通しの良い文体のなかで、嘘偽りなく描き出されていく、家族や学校との難しいつながり。 泣いて、泣いて、洗い流せたなら、大丈夫。 きちんと前から向き合える。 人間って、強いから。 効能  ★★★★ 十分に成長してから、また読み直してみるのも、いいかもしれない。
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