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シャワーからあがった俺は軽くタオルで体の水分を取ると、上着を脱ぎゴミ箱に向かって投げた。
それはゴミ箱の縁にかかる形で入り、水滴を落としていた。
水を含み重くなったインナーも脱ぎ捨て、ベッドに後ろから倒れこんだ。
「一、二、三、四…………」
一から順に六十まで数を数える。
戦いに行った時には自分の殺めた人を数え、弔うと共に、自分にその罪を実感させる。
これが俺の習慣だった。
「――五十九、六十」
丁寧に数え上げると、どこか気持ちが軽くなる気がする。
自己満足だが、俺はこれをすることで、自分を保ってきたのかもしれない。
銃剣の手入れや、ケースの血落としなど、やることは山程ある。
しかし、少しだけ休もう、そう思って横になっていると、案の定意識は暗くなっていくのだった。
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