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「ハァ、ハァ………」
男が森の中を走っている。息は切れ、体はボロボロだ。
しかし、男は走るのを止めず、時折後ろを伺う姿を見せる。
追われているのだろう。
遠くから別の男の声が聞こえて来る。
「そう遠くは行けまい。探せ!あいつの持つ薬さえ奪えばいい。本人は生きていても死んでいてもひっとらえて来い」
男もその声を聞いたのか、スピードをあげた。
その内に、沢山の足音が響き始める。
それは男の周りを行ったり来たりし、着かず離れずの距離を保っていた。
ドサッ
男は体力の限界をむかえ、とうとう地面に倒れた。
その音はもちろん辺りの追っ手にも届く。
「こっちだ!」
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