First Mission

2/12
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「そっちは任せた」 「もちろんっ」 背中合わせに立つ相手から明るい、頼もしい声が聞こえると、それだけで何となく行ける気がする。 「「せーのっ」」 声を合わせ、互いに同じタイミングで前に走り出した。 どちらも正面には、もう敵が迫っていた。 銃撃音や人が倒れる音、時たま金属音もする。 あまり良い気はしないものの、 自分が死なないためには、 彼女を死なせないためには、 ひたすら敵を切り伏せて行くしかない。 「おりゃあっ」 「……………!」 切りかかって来る敵が二人。 銃弾にあたるのを恐れずに向かって来るのはお見事だ。 しかし、その程度で殺されるような俺だったら、ここまで生きてはこれなかったろう。 静かに銃剣で首を刺し、進む。 やはり、人を殺すのに良い気分はしない。 ただただ、無心で人を撃ち、刺し殺していると、何分経ったのだろうか。もしかすれば、数時間経ったかもしれない。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!