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「そっちは任せた」
「もちろんっ」
背中合わせに立つ相手から明るい、頼もしい声が聞こえると、それだけで何となく行ける気がする。
「「せーのっ」」
声を合わせ、互いに同じタイミングで前に走り出した。
どちらも正面には、もう敵が迫っていた。
銃撃音や人が倒れる音、時たま金属音もする。
あまり良い気はしないものの、
自分が死なないためには、
彼女を死なせないためには、
ひたすら敵を切り伏せて行くしかない。
「おりゃあっ」
「……………!」
切りかかって来る敵が二人。
銃弾にあたるのを恐れずに向かって来るのはお見事だ。
しかし、その程度で殺されるような俺だったら、ここまで生きてはこれなかったろう。
静かに銃剣で首を刺し、進む。
やはり、人を殺すのに良い気分はしない。
ただただ、無心で人を撃ち、刺し殺していると、何分経ったのだろうか。もしかすれば、数時間経ったかもしれない。
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