第1話

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…ん?俺すんげえ恥ずかしい事言わなかったか…? 「…お前…よくそんな事言えるよな。」 「いや、その~、ホントの事だし……じゃなくて……」 「はは、分かった分かった。 お前にとって俺がどんな存在なのかよく分かったから。」 そう言った美琴の顔が、一瞬だけ曇ったような気がした。 …いや、気のせいかもしれない。 「ん、ほら誠、着いたぞ。」 「お、ありがとな美琴。 狭かったろ、悪かったな。」 「いや、この距離感もう慣れた。」 「……うん、俺も。」 俺の家を100m程進むと、美琴の家がある。 「…ん、雨止んだな。」 「そうだな。」 「じゃ、また明日な、美琴。 気をつけて帰れよ。」 「…つったって、すぐそこだろ。」 俺はそのまま美琴に背を向け、家に入ろうとした。 その時 美琴に手を掴まれた。 「え、何、どうしたんだよ。」 「誠、好きだ。」 「は?」 「ずっと好きだった。」 ……………? はぃいいいいいいいいい!?
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