第2話

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~学校~ 「………はぁあああ…………」 6時間の授業が終わり、机に突っ伏して盛大なため息一つ。 …これから部活………か…… 部活が終わったら……地獄の帰り道が待っている… 結局、一緒に帰らないための言い訳は思いつかず、途方に暮れていた。 「おい誠。」 「あ、何?」 ボーっとしていると、クラスの男子に話しかけられた。 「何か、後輩がお前のこと呼んでるぞ。」 「え?後輩?」 教室のドアの方を見ると、見慣れた奴がこっちを見ていた。 「あ、祐介(ゆうすけ)。」 ドアの方へ近付くと、そいつはペコリと頭を下げた。 「誠先輩、部活の事で連絡があって…」 「…?何だ、どうした?」 コイツの名前は、飯塚祐介(イイズカ ユウスケ) 俺が入っているバスケ部の後輩。 「昨日の雨で、体育館に雨漏りが見つかったらしくて…今日、ちょっとだけ工事するらしいんで、部活が中止になってしまって…」 ……へぇ……そうなんだ。 ……ん? ちょっと待てよ……? これはチャンスなんじゃないか…? 何のチャンスかって、美琴と帰らない言い訳だよ! [今日部活無いから先に帰るわー] …うん、自然じゃないか! ナイスタイミング…っ!! 「…あの、誠先輩…?」 「あ、あぁ、何でもない! わざわざ連絡ご苦労さん。 ありがとな。」 雨漏り万歳。
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