第2話

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「ほら、こっち。」 「…え、こんなとこに部室なんてあったのか…?」 「まぁ、北校舎なんて、なかなか使わないからな…。」 美琴の後を付いていって、弓道部の部室に連れてこられた。 そもそも北校舎って三年生の教室ばかりだからな…。 実は北校舎に来たのは初めてだ。 「ほら、入って。」 「…つかさ、今思ったけど…部外者の俺が入っても大丈夫…なのか?」 「大丈夫だよ。 三年生は引退しちゃったし、俺たち二年生と一年生の後輩だけだから、気にしなくて良いよ。」 美琴が扉を開く。 ちなみに隣にもう一つ扉があり、そっちは女子の更衣室らしい。 そっと中を覗く俺。 「……綺麗だな。」 「ん?そうか?」 うん、超綺麗。 俺のバスケ部の部室なんて… うん、ゴミ屋敷みたいだもんな。 「んじゃ、俺着替えるから、ちょっと待っててくれ。」 「え、ここで着替えんのか? じゃあ俺、外に出て…」 「男同士なのに何を気にしてんだよ。」 「…そ、そっか…」 美琴がロッカーを開けて、袴みたいなのを取り出す。 そのまま制服を脱ぎ始めた。 「……………。」 チラッとその後ろ姿を見る。 ……何か…………… 美琴の背中……綺麗……だな………。 「何だよ、ジッと見て。」 「な、何でもねーよ!」 ……思わず見とれてしまった。 クソッ……今日の俺……… 何か変だ………
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