第2話

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「お待たせ誠、外行こうか」 「………おう。」 弓道部の部室の奥に進むと、もう一つ扉がある。 そこが外と繋がっている。 「……………おお…!」 扉を開けると、そこには芝生が生えているグラウンドがあった。 よく見ると向こう側に的もある。 高くそびえた塀の外からは、野球部の奴らのかけ声も少し聞こえてくる。 「へぇ、結構広いんだな。 弓道部のグラウンド、初めて見たよ。」 「うん、知らない人が多いよ。 矢が変なとこに飛んだら危ないからね、外からは見えないようになっているんだ。」 「へぇー…確かにそうだよな。」 辺りを見回すと、誰もいない。 まだ部員が来ていないようだ。 「なぁ美琴、他の人たちはまだ来ないのか?」 「あぁ、皆マイペースだからね。」 「…そういう問題なのか…?」 …ふーん、やっぱ、運動部と文化部って雰囲気違うんだな。 …つーか弓道部って文化部なのか? 一応スポーツだよなぁ? そんな下らない事を考えていると、美琴が弓矢を取り出した。 「お!やるのか?」 「あぁ、一番近いやつでウォーミングアップからな。」 おお、生で弓道が見れる! 実は結構楽しみだったりしてる俺。
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