第2話

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「誠、危ないからあんまり近くに寄るなよ?」 「分かってるって!」 美琴はフゥっと息を吐き呼吸を整え、ゆっくりと弓矢を構えた。 背筋をピッと伸ばし、そのままゆっくりと矢を引く。 …すっげぇ真剣な表情…… こっちまで黙ってしまう。 パンッと音がし、矢が的めがけて飛んでいく。 トスッと音がし、矢は見事に的に突き刺さった。 「すっげぇな美琴!」 「…いや、ダメだな。」 「え、何でだよ。」 「よく見ろ。ズレてるだろ。」 よ~く目を凝らして的を見つめる。 …あ、確かに少し真ん中からズレている。 「いや、でもすげぇよ美琴。 素人の俺が見ても分かるよ。」 「…いや、これじゃダメだ。」 「あぁ?だから何でだし。 ………って美琴、何か顔赤いけど大丈夫かよ。」 「………お前ってさぁ…ホント鈍いっていうか…」 「は?何がだし。」 そこで俺は気付いた。 もしかして今の美琴は 少女マンガ風に例えてみると、  『好きな彼に良いとこを見せようとしたら逆に変なプレッシャーかかって緊張しちゃって失敗しちゃった恥ずかしい☆』 …っていう状況……なのか? 「あ~…あのさぁ美琴、確かに真ん中からズレていたけど、弓道やってるお前はすごくカッコいい…ぞ?」 「………………………」 美琴を励まそうと必死に考えたんだが… もう少しマシな事言えなかったのか俺? 美琴も何か言ってくれよっ!!
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