第2話

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しばらく黙っていた美琴だが、再び矢を構える。 小さくキリッと音がし、狙いを定める。 今度こそ…真ん中に刺さりますように…! パシッという音と共に、再び矢が的めがけて飛んでいく。 トスッ 「…お、おおっ!! 美琴!真ん中!超真ん中じゃん!!」 「誠、テンション高い。」 「だってスゲェじゃんか!!」 二本目の矢は、寸分の狂いもなく真ん中めがけて飛んでいき、見事命中した。 「誠のおかげだよ。」 「え、俺?」 「お前がカッコいいって言ってくれたから。」 …ふむ、今の美琴の状態はあれか、 『好きな人に応援されて元気出た☆』 …という状況か。 「…誠、お前今変なこと考えてないか?」 「いや、全然。」 「…まぁいいや。 ずっと立ってるのも疲れるだろ? そこのベンチに座ってて良いぞ?」 「あ、サンキュー。」 俺は美琴の後ろのベンチに座った。 その間も美琴は矢を放つ。 …何か…静かだな~… バスケだったら、体育館走り回って…かけ声出して…ボール投げて…って感じだから… ここの静かな環境は、何だか不思議だった。 目の前に広がる芝生 心地よい具合の風 そして、美琴が放つ矢の音。 落ち着くというか、眠くなるというか… 久々にリラックスできたな。 再び美琴の後ろ姿を見る。 なぁ美琴、俺の事、ホントに好きなのか? ずっと前から好きだったって、いつから? 俺…ずっとお前の気持ち知らなかった。 知らない間に、お前のこと傷つけたりしたよな? 俺は…どうするべきなんだ? お前とは親友でいたい。 でも、お前の事、傷つけたくない。 …だからこそ、真剣に考えるから。 もう少し、待っててくれよ。
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