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…てか、斎藤さん、美琴の事…下の名前で呼んでるし…。
美琴だって、ニコニコしてるし…
ずいぶん親しげじゃね?
「…どうした、誠?」
「………!……あ……」
いつの間にか、俺は美琴の制服の裾を引っ張っていた。
「…か…帰るんだろ…。
いつまで話してんだよ…先に帰るぞ。」
「あ、ごめん美琴君、私もしかして邪魔しちゃってた…?」
「いや、そんなことは…っておい、誠待てよ!
悪いな斎藤、また明日、部活で。」
先に歩いている俺の後ろから、美琴が追いかけてくる。
「誠、何怒ってんだよ。」
「怒ってねーよ。」
クソッ……俺カッコ悪い。
絶対嫌な奴じゃん、今の俺。
二人が話してるのを見て、何か嫌だった。
美琴が楽しそうに斎藤さんと話してるのを見てると
自分が置いてかれてるように思えた。
いつも隣にいてくれた美琴が
俺から離れていってしまっているように見えたんだ。
だから何なんだって話かもしれないんだけど
どうしても許せなかった。
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