第2話

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少し暗くなった帰り道を二人で歩く。 …斎藤さんと帰れば良いのに……。 「今度な、弓道部の試合があるんだ。」 「ふーん……いつ?」 「来月の第一日曜日。」 「…あ、行けるかも。」 端から見れば、仲良さそうに話しているように見えるだろう。 でも俺はモヤモヤしっぱなしだ。 「誰が出んの?」 「男子は俺と一年生が二人。 女子は斎藤が代表だ。」 …また斎藤さんかよ。 「…ずいぶん親しげだったな。斎藤さんと。」 「そりゃあ同じ部活だしな。」 「………ふーん……」 …ホントにそれだけかよ。 「…あのな誠。」 「…………何。」 「…一つ、謝らないといけない事があるんだ。」 「…え?」 …何だ…? もしかして、あの告白は嘘でしたーってオチとかか? 「…実は今日、弓道部が休みなのは知ってたんだ。」 「………………はぁ?」 え……じゃあ何? 俺の事誘ったのはわざとってこと? …確かに今考えてみれば…しっかり者の美琴が自分の部活の休みを忘れるはずがない。 「ごめんな、ただでさえ気まずいのにこんな事しちゃって。」 「……何で嘘なんか……」 美琴が静かにこっちを向く。 「…お前と二人きりになりたかった……って言ったら怒る?」 「なっ………」 …ホントにこいつは………っ 「…でも、これで分かっただろ? 俺がお前のことどれだけ本気か。」 そう一言だけ言って、美琴は俺の一歩前を歩き始めた。
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