第3話

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~次の日~ 「おはよう、誠。」 「悪い、遅くなった。」 今日もいつもと変わらず、美琴は俺の家まで迎えに来てくれていた。 そして俺もいつもと変わらず、寝坊した。 「課題は終わったのか?」 「美琴のお陰でなんとか。 サンキューな。」 そう言うと、美琴はニコッと笑った。 しばらく何気ない話をしていると、目の前にカップル発見。 おーおー、朝からイチャイチャしやがって。 「………ん?」 男の子の方…見覚えがあるような? 「……あ、祐介だ。」 通学用のカバンにデカいバスケットボールのキーホルダー。 うん、間違いない。 「なんだ、知り合いか?」 「知り合いっつーか、部活の後輩だよ。」 「あー、なるほどな。」 しばらく黙っていた美琴がボソッと呟いた。 「…名前呼びなんだな。」 「…え、いや、だって後輩だし。 普通だろ?」 「……まぁ……」 何か不服そうな美琴の顔。 「美琴の事だって名前で呼んでんじゃねーかよ。」 「だって俺ら親友だし。」 「つかお前、俺の事ばっか言うけどお前だって斎藤さんに…………」 そこまで言って、俺は慌てて口を閉じた。 「…?斎藤がなんだよ。」 「…べ、別に………」 …っぶねー…… 『お前だって斎藤さんに名前で呼ばれてんじゃねーか。』 そう言いそうになった。 こんなんじゃまるで、俺が嫉妬してるみたいじゃん。 最近、美琴といると変な事言いそうになる。 あー、危なかった。
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