第4話

2/9
前へ
/127ページ
次へ
何日か過ぎ、今日はいよいよ美琴の弓道の試合当日となった。 会場はそんなに遠くない。 美琴は試合の準備もあってか、俺より先に行かなくちゃいけないらしく、今日は待ち合わせしていない。 「んっとー…入場出来んのは11:30からだもんな…。 もうそろそろ行くか…。」 荷物を持って、俺は家をあとにした。 歩いて15分くらいしたとき、目の前にコンビニが見えた。 「…時間に余裕あるし、ちょっと寄ってこーかな。」 コンビニに入り、お菓子売り場へ直行。 「…お!チョコバーあんじゃん!」 会場って飲食禁止……ではないよな? うん、大丈夫だろきっと。 そのとき、チョコバーの隣にあるものに気付いた。 「…あ、抹茶バーだ。」 抹茶バーは、俺の好きなチョコバーの抹茶バージョンみたいなやつ。 「…美琴……甘いの嫌いって言ってたけど、抹茶バーは好きって言ってたよな…」 …買ってってあげようかな? この間チョコバーもらったし。 そのお礼…みたいな。 うん、そーだよ、きっと試合後は疲れてるだろうし、帰りに「お疲れ。」って言いながら渡せば… 「美琴…喜ぶだろうな…」 いつの間にか顔がにやけていた。 俺はそのままチョコバーと抹茶バーを握りしめ、レジに並んだ。
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!

140人が本棚に入れています
本棚に追加